ハセガワ 1/72 VF-1 VALKYRIE A/J/S 水転写デカール攻略編

みなさんこんにちは。今回は少し大げさなタイトルですが、基本塗装まで完了したVF-1 VALKYRIEに水転写デカールを貼っていきます。水転写デカールは失敗しやすく失敗したときのリカバーも難しいので今回の方法で少しでも水転写デカールのリスクを減らすことができたらと思います。

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さっそく作業をはじめていきますが、まずは必要なものを揃えましょう。水転写デカールを貼るためには、・水、・よく切れるデザインナイフ、・ピンセット、・ティッシュ、・綿棒、・筆(あると便利)が最低限必要ですが、模型を製作されるようなかたは持っているものばかりです。さらに…。

水転写デカールをキレイに貼るためには画像の『マークセッター』、『マークソフター』の2つは必需品ですね。(違うメーカーからも同様の作用をするものが販売されているので同等のものであれば何でも構いません)以上の道具が揃えば水転写デカールをキレイに貼ることができます。

それでは、画像のパーツにデカールを貼っていきます。主翼には大判のデカールを貼るよう指示があります。水転写デカールは小さなものはシール(水を使わず貼れるもの、ガンプラのHGなどに同梱されているもの)を貼るのと難易度的に大差ないのですが、大きいものを貼ったり、凸凹のうえや複雑な形状の部分に貼るのが難しいです。しかし、シールでは凸凹や複雑な形状に貼り付けても後々浮いてきたり剥がれたりします。水転写デカールはコツさえ掴めば、複雑な場所にもキレイに貼り付けることができますし、塗装したような雰囲気にまでなります。

デカールを貼るためには台紙から切り出さなくてはいけません。よく切れるデザインナイフなどで必要なデカールを切り出します。画像をよく見ると、必要な部分の周りに透明な余白があります。気になる方は余白まで切り取るようですが、今回はそこまでしません。というか、私はそこまで気になりませんので必要な部分を大まかに切り出します。

切り出したデカールは、水に浸してデカールと台紙が剥離するのを待ちます。この時、水の中に入れっぱなしにしておくより湿らせたティッシュやスポンジの上で剥離を待つと、勝手に台紙から剥がれて行方不明になることを防げます。

台紙からデカールがスルッと動くようになったら貼り付けます。ここからは慎重に作業をします。画像のようにある程度大きなデカールは貼り付ける位置で、スライドさせたほうが安全です。このときによくデカールを貼り付けるHOWTOなどでは「貼り付け位置に『マークセッター』を塗布しておきます」的なことがありますが、慣れていないと失敗します。ですので、『マークセッター』ではなく『水』を貼り付け位置に塗布します。これはなぜかというと…。今回使用を勧めている『マークセッター』はデカールを定着させる『のり』の成分の他に、デカールを軟化させる成分も含まれていてるのです。デカールを軟化させてしまうので、もたもた作業をしているとデカールがしわしわのくしゃくしゃになってしまいます。なので、『マークセッター』でも軟化剤が入っていないものを使えば解決なのですが、それをいってしまうと元も子もないので…。今回は、軟化剤入りの『マークセッター』(クレオス製)を使用する場合でやっていきます。

ということで、水しか使っていないのでデカールに悪さをするものはなにもないのでゆっくりとデカールを貼り付け位置に移動させることができます。貼り付け位置が決まったら、水を含ませ固く絞った綿棒を使ってデカールの水分をコロコロと絞っていきます。この際にデカールが動くことがありますが、やはり、水しか使っていないので安心してデカールを再度移動させることができます。

デカールの水分をある程度拭き取って、位置もしっかり決まったらここで『マークセッター』をデカールのうえから塗布します。

うえから塗布してもご覧のように軟化成分がしっかりとデカールを軟化させているので、シワシワになっています。しかし、この段階でデカールはしっかりと貼り付け位置に持ってきているので動いたりズレたりはしないと思います。水を拭き取ったときと同じ要領で、綿棒で水分を拭き取っていきます。『マークセッター』でデカールを軟化、接着しているので、水だけでデカールを貼り付けるよりしっかりと定着しています。デカールを貼り付けたときの失敗で『シルバリング』という現象も起きにくく、触った程度では剥がれたりしないと思います。

同じように、こういった曲面に貼り付けたりデカールとデカールが繋がって一つの模様になったりする部分でもいきなり『マークセッター』を使わず、水だけで位置決めをしていくのであせらず確実に貼り付け位置にデカールを持ってくることができます。正直、いきなり『マークセッター』を塗布して作業したほうが早いです。しかし、失敗したり、失敗をリカバーすることを思えば安全に作業ができると思います。この方法はデカールを貼り付けるのが難しい場所や、大判のデカールを貼り付けるなど失敗しやすいと思った部分にだけ使えばいいです。コーションマークや細かなデカールはこれまで通り、貼り付け位置に『マークセッター』を塗布してからデカールを貼り付けていっても大きな失敗にはなりにくいと思います。

ゆっくりと作業ができれば、画像のように自分で納得がいく場所にデカールを貼り付けることができると思います。あとから、『マークセッター』を塗布しても画像のようにしっかりとデカールを軟化させ、デカールの下にあるディテールにデカールを追従させることできます。さらに、『マークソフター』を使えばよりディテールにデカールを追従させることができるので、塗装したような仕上がりにより近づけることができるかもしれません。あまり調子に乗ってやりすぎるとデカールは軟化すると破れやすいので気をつけましょう。

画像は、調子に乗って軟化したデカールをディテールに追従させようとした結果…。破れました(泣)。こんなことにならないように、特に『マークソフター』を使う時は落ち着いて少しづつデカールを軟化させ、ディテールに追従させていきましょう。

すべてのデカールを貼り付けて数日しっかり乾燥させたところです。一部塗装で色分けしましたがあまり違いがわからないと思います。今回のやり方でデカールを貼り付けていけばゆっくりと落ち着いて位置決めしたりできるので、失敗も大幅に少なくなると思います。

ということで、今回は水転写デカールを攻略するということで私なりの攻略法をお話しましたが、いかがでしたでしょうか?魔法のように一瞬で貼り付けたりできるわけでもないですし、結局は『マークセッター』をあとから塗布するだけということですが、デカールの失敗は位置決めが難しいことにあると思います。私も、先に『マークセッター』を塗布しなければいけないという固定概念のもとデカール貼りの作業をして、何度も失敗をしてきました。『マークセッター』はあとから塗っても作用することを知ってからこの方法でデカールを貼り付けるようになって、失敗が少なくなったと思います。是非、水転写デカールが苦手なかたは一度お試しあれ。(責任は取れませんが…。)

デカールがしっかり乾燥したらウォッシングしますので、一度半艶でコートしておきますが、今回は、ここまで

ありがとうございます。

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